江戸男子の艶ごと最高。/紗久楽さわ『百と卍』ネタバレ感想
ちゃす!窓際の腐女子(23)です。
ず~~~~っと楽しみにしていたBLのひとつ、紗久楽さわ先生の百と卍が発売になったで~~~~!まってました….めでたさしかない。もう大興奮のなか感想を書きまっせ!
「もう、2人を見守る障子になりたい」ワイも。
まず、担当さんのコメントが書かれた帯に吹いた。
担当さん、よくお分かりで...
お話のあらすじはこんな感じ↓↓
元・陰間の百樹(ももき)は、ある雨の日に
卍(まんじ)に出逢い拾われた。
陰間の仕事としてではなく、
やさしく愛おしく
恋人として抱かれる瞬間は
まるで夢のようで、
そんな日々に百樹は
幸せでいっぱいなのだった。
たとえ過去に、
どんなことがあったとしても。
極上甘えロス!よく言った!
これを呼んだ方はおわかりのように 甘いです。
全編通してちょっとしたセリフ、モノローグから卍と百の相思相愛ぶりがビンビン伝わってきて非常に愛おしいんだなこれが~ そして何よりも担当編集さんのコメントが秀逸。
セリフが、モノローグが、イイ。
基本的には2人がイチャイチャしていて、その中で2人に関係する人々が登場したり、過去にさかのぼることでお話を深堀していく、という構造なのですが。イチャイチャシーンのエロさはもちろん素晴らしさもさることながら、モノローグも秀逸なんだよ~~
卍は百と出会った日を振り返って、百がいうところには雨が降っていたその日を「虹の出た日だ」と表現しています。この言葉がね~~いいよね!
百にとっては大好きな兄ちゃんと別れ、これから一人で生きていかなくてはいけないという絶望的な日だったわけだけど、卍にとっては最愛の人となる百とであう日というこ心情の差をうまく言い表している言葉ですよね~
卍にとって百は【 虹 】なんだろうな~
その他絶品モノローグがぼんぼん登場するので、言葉ひとつひとつをあじわってください!
気になる卍の過去。
この作品の味わい深さのとひとつに2人の過去っていうのがチラ見えするとこにありましてですね。いろいろあった二人だからこそ、いま一緒にいるのね~~~!と思うとまた愛しさ倍増なんですねこれがまた…
卍にいさんの過去ですが、作中に一瞬でてきます。
纏持ちという職業が火事場の屋根に上って命がけで消火活動の目印になるお仕事だそうな。町一番の美男子が任命されたというからには、とっても名誉なお仕事だったんだろうけど、それの再オファーを卍はあっさり断ります。「もう大概命で遊ぶは飽きた」と。
名誉な任務を「命で遊ぶ」と表現するあたりに卍の人間性が垣間見えるというか。命で遊ぶような任務を引き受けさせていたその心境の裏にはなにがあったのかしら~と卍の過去が気になる次第です。
オファーを断る理由を「この世に未練がありすぎる」という卍。
未練とは百のことなのでしょう。
卍に自分の好きなところを教えてくれ、といわれこう答える百。卍は確かにカッコイイけれども、「可愛い」といえるのは百だけなんじゃないだろうか。
甘いだけじゃない。切ない百の過去。
陰間としての百の過去も1巻で語られます。それがね、なんとも気の毒というか。
陰間茶屋で広報をしていた醒(さとる)兄さんが、縁者がなくなったことをきっかけに百を呼び寄せます。その時丁度、陰間の子供が一人なくなり百がその後釜としてあてがわれることに….。運命のいたずらや~~
そして百を陰間として【 開発 】する役を実の兄の醒が引き受けることになるんだがしかし。百は肉親としての情か一人の人間としての愛かもわからぬうちに、醒にいさんが好きになってしまうのですね~
どんな仕事をするのかわからぬけれども大好きな醒にいちゃんと離れるよりも近くにいたいと思う百の健気さよ~
っていうか醒さんと百はガチ兄弟なんすか?!とあらためて驚愕。弟を開発するのが実の兄なんてどんな畜生道よ!
そんな兄ちゃんと別れる日が来るのですが、そんなときに出会ったのが卍….
いやもう卍さん百をめちゃくちゃに甘やかしてあげて!!!一生イチャイチャしててくれ~!
この笑顔の裏に、いろいろあったのね~と思う。
お江戸って、ロマンだわ。
お江戸の入念に描かれた髪の毛や卍の切れ長の目などに紗久楽先生のこだわりが炸裂しておりますな。個人的に絵柄のまるっこい感じ、線の雰囲気は雲田はるこ先生に通じるものを感じていて。コマ割りのクラシカルな感じもしかり、とおもっていたら今月号のonBLUEで2人が対談していた!ちらっと立ち読みしたらば、「好きなもの、描きたいものが似ているんですよね~」といっていて「やっぱりそうだよな!」となる窓際でした。
この表紙の2人も極上。いまからおっぱじめるけど、めっちゃ幸せっす!ってのがにじみ出てる~ 卍の切れ長・アイに射抜かれたい。
紗久楽先生のお江戸知識が深すぎてビビる
巻末についてくる陰間知識もさることながら、作中にちょこちょこでてくるお江戸知識がガチモンでですね。先生の深いお江戸愛が伝わりますな。春画のまねっこからはじまるというところお江戸徹底っぷりですよ。
表紙もワシで作画を進めているという徹底っぷり。一部墨もつかっているのかしら...?表紙自体もちょっと和紙っぽい手触り。さすがや~
ちゃんとエロいです。
とエロスに全く言及してなかったのですがちゃんとエロいのでご安心ください。tnkは白抜きではなく、輪郭消しで済んでます!ここ重要
個人的には騎乗位を【 お馬の稽古 】と表現する妙にイキだわ~と妙に感動してしまいました。
2巻が待ち遠しい~
次巻は卍の過去と2人の馴れ初め編らしい!
onBLUEでの連載ということもあって、2巻はゆっくりになりそうだけど、それでも待つよ!楽しみだ~~~